賃貸物件の管理費・共益費って何?
管理費・共益費は何に使うものなのか
まずは、管理費および共益費が何のための費用なのかを説明します。
【管理費】
言葉のとおり、その物件の「管理のため」にかかる費用です。基本的には一つの建物内に複数の住戸が存在する集合住宅での共用部分の維持や、それにかかわる事務作業などに対する費用です。
共用部分とは、エントランス、廊下、エレベーターなど居住者が皆で使う箇所や設備のことで、貸主はその部分を含めた建物全体の管理を管理会社に依頼していることが多いです。一般的には管理人が駐在し、管理業務を行います。その費用を含む、全体の管理にかかる金額が、居住者たちが支払う管理費から賄われているわけです。
【共益費】
共益費は、エントランスや廊下、エレベーター、ゴミ置き場、駐車場など、共用の施設・設備を維持するために使われる費用です。共用部分にある照明の電球交換、オートロックやエレベーターなど設備の点検のほか、それらの電気代および水道代も含みます。
ここまで集合住宅を前提に説明してきましたが、一戸建ての賃貸住宅には管理費がないというわけではありません。必要に応じて設定されていますから、物件ごとに確認しましょう。
「管理費」と「共益費」の違い
物件によって「管理費」・「共益費」の有無があり、金額設定もまちまちです。「管理費とは物件の管理のため」「共益費とは共用部分の維持管理のため」と考えればいいのですが、実際には物件ごとに、建物の維持管理にかかる必要な金額をこれらの名目で設定しているということです。物件によっては管理費一本でこれら二つを包含しているものもありますし、その逆もあります。
一般的に、管理費・共益費の相場は家賃の5~10%程度と言われています。金額面での違いは特にありません。使い道は前述の通りなので、毎日使うエントランスや廊下、階段、エレベーターなどが、いつも気持ちよく利用できると考えれば、その必要性が理解できるのではないでしょうか。
費用の表示パターンについて
管理費・共益費の徴収については、名目立てて「○円」となっている場合と、家賃に含んだ形の「家賃〇円、〈管理費込み(共益費込み)〉」という場合の、二つの表示パターンがあります。
例えば、「家賃6万5千円/管理費5千円」「家賃7万円(管理費込み)」ということです。これらは、どちらも支払いは7万円で同じではないかという気もしますが、注意したいのが家賃以外の費用です。敷金や礼金、更新料、仲介手数料などの支払い額は、「家賃」をベースにして算出されます。そのため、単純に考えれば、前者の場合総支払額が割高になってしまうと言えます。ただし、周辺の家賃相場をみて7万円が低めだったならば、必ずしも割高とは言えないでしょう。
このように、入居者を募るための一つの手だてとして、パターンの使い分けがされていることもあるので、周辺物件と見比べるといいでしょう。どちらにしても、賃貸物件の運営上には必要な費用なので、名目はさておき必ずかかっていると認識しておきましょう。ですから、「管理費・共益費なし」とうたっている物件についても、実際にはその分の費用は家賃に含んでいると考えるのが妥当です。
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